未知へのシュプール   

     - Biography of a skialpinist-

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2016-17シーズン総括


今シーズンもお陰様で無事山岳滑降の終わりを迎えようとしています。先ずは同行者のみなさん、そしてサポート頂いた関係者諸氏に厚く御礼を申し上げます。昨年と比較してまともな降雪量となった今シーズンは、こちらもそれなりの成果があがりました。幸運にも恵まれて長年の課題を幾つか成就し、マニアックなレアものを落とし、さらに地道な努力の甲斐もあって新たに14本のスティープ系コレクションを増やすことができました。

GWkarasawa.jpg
GW穂高スティープスキー合宿にて。手始めに奥穂山頂からバージンの直ルン〜1ルンゼ継続滑降を終え、涸沢ヒュッテの快適なテラスでバカンスする筆者。

<2016-17シーズンの主な成果>
・三岩岳黒檜沢右俣左沢(ⅠS4 45°900m ☆)(1月下旬/同行者:マフィア、53、デラ、トラ)
開拓し尽くした感のあった戸隠エリアから心機一転、新たに場所を桧枝岐エリアに移して2回目の、計13回目のパウダーキャンプを実施。現地チェックで見出した黒檜沢左俣シュートをオンサイト滑降。上部カール状大斜面から核心部はなかなかに素晴らしいルンゼ状でエキサイトなスティープ&ディープパウを堪能しました。中間部で黒檜沢左俣本谷と合流してからは巨大滑走路の快適なロングランも満喫。標高差900mの滑降は厳冬期としては初になろうか。久しぶりに例年並みの積雪量となったこのエリアのポテンシャルの高さを垣間見ることができました。

・黒斑山東面ダイレクト(ⅠS4+ 47°370m湯の平まで ☆)(1月下旬/SHO)
活火山浅間山に静かに対峙する黒斑山。その東面には上信越エリアとしては貴重なスティープシュートが幾つか隠されている。その中で最も見栄えのするのが山頂からの東面ダイレクトライン。前回は雪崩誘発で断念したが、今回はドライパウダーの最高の条件で滑走してきました。 浅間山の独特な雰囲気が醸しすフォトジェニックな景観の中でのライディングシーンは感動モノ。ちなみにこのラインの初滑降は天狗温泉浅間山荘のご主人の山崎さん。「そこに良い斜面があった」からと。厳冬期は今回が初になる。浅間山に向かって飛び込むような感覚はここでしか味わえない。是非一度お試しあれ。

・谷川岳俎嵓幕岩尾根〜鷹巣A沢(Ⅱ S5 48°R1 1030m二俣まで ☆)(1月下旬/マフィア、SHO)
谷川岳の由来ともなったマナイタグラ・・・残念ながら初滑降は逃したが、スキーアルピニストとしてはここを滑らないわけにはいかない。一昨年は稜線でのワッフ音に敗退。昨年は寡雪でチャンス無く、そして今回。ようやく1本シュプールを刻んできました。ハイシーズン直前のやや難しいコンデションの中、幕岩尾根から鷹ノ巣A沢へと繋ぐ新ラインを見出し、新鮮な空気に満ち満ちたマナイタグラのディープパウダーを思い切り吸い込みましたぁ〜。はくしょん!

・大崩山東面センターライン(Ⅰ S5+ 50°R1 700m大滝川出合 ☆☆)(2月上旬/マフィア、SHO)
一度は諦めかけた積年の難題、大崩山東面センターリッジから中央ルンゼをようやく成就。ライン取りの妙! センターリッジ沿いのスティープセクションを経て、雪崩で深く堀込まれた中央ルンゼに突入、第二の核心部クランクセクションへとスキーの先を落とし込む。バフバフのパウダーコンデションを当て、見事な造形美のスティープ・ゴルジュの回廊を快適滑降。ここは大崩山東面のベストスティープラインとなろう。

・蔵王北屏風岳センターリッジ(ⅠS4+ 48°620m秋山沢合流点 ☆)(2月中旬/ハッチ、デラ)
比較的たおやかな山容が多い東北の山において蔵王・北屏風岳東面は異色の存在だ。昨年ノーマルラインを滑った時にセンターリッジの挑発的なラインが目に焼き付いて離れない。2月のハイシーズン、雪が十分に付いたのを見計らって実行に移す。アプローチは北尾根を選択。当日は薄日で気温も上がらず、東面に新雪が張り付く絶好のコンデション。しかも前週の春一番で余計な雪庇が落ちる幸運にも恵まれた。太平洋も遠望される最高のシチュエーションで大満足の滑降ができた。

・妙高山東壁中央ルンゼ(Ⅱ S5 50°700m ボトムまで)(2月下旬/単独)
頸城の盟主妙高山2445m。赤倉スキー場からも望めるその独特の形状を誇る東壁には頸城の開拓者、故・蟹江健一さんから課せられた滑降課題が存在する。3年前、向かって左の通称ランペルートを落としたが、もう一本滑らなくてはならぬラインがあった。それは三角点ピークから落ちる東壁で最も顕著なスティープライン、中央ルンゼだ。今回、厳冬期ラストチャンスにソロで滑走に成功。コンデションを掴むのが難しく、変化のあるトレインは手ごたえある標高差600mのハードルートであった。

・谷川岳マチガ沢本谷ダイレクト(Ⅰ S5 47°1100mマチガ沢出合)(3月初旬/マフィア)
我がホームグラウンドの谷川岳。マチガ沢は毎年滑降しているが、本谷ダイレクトラインは初めてだった。今年は雪庇も小さくドロップしやすく、まずまずの快適な滑降が楽しめた。それにしてもマチガは滑降する人が以前に比べて急増し、それに伴う諸問題にも対処する必要がでてきたのがやや厄介だ。

・爺ヶ岳主峰東面〜小冷沢(ⅡS5 47°R1 1400m ☆☆☆)(3月中旬/マフィア、SHO、ユウスケ)
以前ソロで冬季初滑降したラインを再訪。コンデションは抜群だった。東尾根からのワンデイ・アプローチで本滑降ラインが爺ヶ岳の白眉のラインであることを再認識できた。

・爺ヶ岳北峰西俣奥壁・左リッジ〜C沢(Ⅱ S5 48°R1 1240m)(3月中旬/マフィア、SHO)
いぶし銀の爺ヶ岳。その北峰北東面には雪庇とキノコ雪に飾られ、怪鳥フェニックスが翼を広げるかの如く西沢奥壁が鎮座する。前週の主峰東面再滑降の際の一連の偵察でこの奥壁がベストコンデションにあることを見逃さなかった。当日は予想外の雪模様になったが、ここを滑るコンデションとしては上々であったと言っておこう。雪庇が張り巡らされた奥壁稜線。その唯一の弱点とも思える左リッジ最上部の雪庇を工作し、ドロップイン。奥壁のほぼ真ん中。雪庇とキノコ雪に守られコンデションを掴むのが難しい奥壁の顕著なラインを落とせて大満足。奥壁左リッジからC沢滑降は初になろう。今季最高のルンゼ滑降になりました。

・不帰Ⅲ峰Cリッジ(ⅠS5 50°1500m唐松沢継続)(3月下旬/伊藤)
ここも長らく自身の懸案であったルート。ようやく最高の面ツルパウダーコンデションで滑降できました。
RSSA同人の新人伊藤君とタイト&スティープなドロップシーケンスを楽しみました。

・中岳中ノ沢(Ⅱ S4+ 45°1200m)(4月初旬、マフィア)
宿題の大喰沢の隣、中岳・中ノ沢。何度かトライしましたが今回必殺ののC&Rで成就。
パウダーから堅雪、ザラメと変化に富むスノーコンデションの中で早春の北アを満喫しました。

・西穂高岳西尾根〜小鍋谷(Ⅲ S4 40°1300m)(4月上旬/ハッチ)
久しぶりの西穂は所属する会のスキーアルピニスト養成講習会で若手ハッチと西尾根から小鍋谷のC&Rルートへ。強風の西穂稜線はなかなかどうしてさすが穂高と思わせる内容でした。滑降では広々とした小鍋谷のクリーミーパウに雄叫びをあげました。

・前穂高岳南西ルンゼⅡ(Ⅰ S5 50°1500m)(4月下旬/SHO)
奥明神沢右岸支流、前穂高岳南西面には幾つかのスティープルンゼが存在する。その中でも未知の課題の一つ、前穂山頂から一般ルートである前穂ダイレクトラインの最上部を滑ってから、右手リッジの反対側に展開する南西ルンゼを滑降した。その内容は幅広ルンゼでアルペン的な景観も実に素晴らしく、奥明神沢への合流手前には50度のスティープセクションありと実に変化に富んだ好ラインでした。

・奥穂高岳西面ダイレクト(ⅡS5+ 50 °R1 700m白出沢出合)(5月初旬/マフィア、SHO)
奥穂に残された最後の大物、山頂からの西面ダイレクトライン。ここはセバ谷(セマ谷)と呼ばれ、山頂から白出沢出合までの標高差は約700m、流域面積は南面・扇沢にも匹敵する規模を誇るが、吹きさらしの西面であるが故、コンデションが非常に厳しく、今まで未滑降ラインとして残されていた。今回、山頂からのオンサイト・トライで、ジャンダルム北壁の絶景をバックに適切なコンデションの中、会心の初滑降のシュプールを描くことができた。これで奥穂山頂から直登ルンゼ、扇沢を含め、奥穂高岳スキー滑降トリロジーの達成となりました。

以上、新たなスティープ14本、内初滑降7本(厳冬期のみを含む)と結果的にはなかなか充実したシーズンになりました。
中部山岳スティープスキーディセントもゴールまであともう少しのところまできております。来シーズンもまた頑張りますのでご指導・ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します!


<主な使用ギア>
板:K2AMP RICTOR90XTi、サロモンQST99、ディナフィットチュガッチ
ビンディング:ディナフィット・TLTシリーズ各種
ブーツ:ディナフィットTLT6パフォーマンス
シール:ポモカ・ガイド
ストック:BDウイぺット、カーボン
アイゼン:ペツルイルビス、サルケン
アックス:カンプナノテク、ペツルサミテック(バイル)
ウェア:パタゴニア(ソフトシェル、ハードシェル、ナノパフ等)
パック:ミレー・マトリックス30、トリロジー

<フォトグラファー>
松岡祥子 http://shophoto.exblog.jp/
須藤正雄 http://mafias.exblog.jp/




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  1. 2017/05/15(月) 22:23:21|
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