未知へのシュプール   

     - Biography of a skialpinist-

2013 Nov. 立山初滑り

立山の雪崩事故では7名の方が亡くなられました。ご冥福をお祈り致します。
当日、立山に入山していた者として簡単にルートと周辺の状況について報告します。

11/22(金)ガス、小雪、やや強風
3日間雪が降り続いたことと先週できた融解凍結層(氷板)との接合状態が先ずは大きな興味(問題)としてあった。とりあえず雪を調べることにして風の影響の少ない室堂山荘裏手でビレイしてもらいピットチェックと破断テストを行った。結果は上部から正構造で顕著なスラブ化は無く、1.5m下に例のヒョウバンがあってその前後がザラメ化していた。この場所での各種テストでの反応は無しだった。但し積雪が浅く、上部がスラブ化していれば問題になるとの認識を得た。その後、山荘裏を4回滑走+ビーコンチェックを実施した。周囲で不安定性の兆候は観測できず。

11/23(土)快晴、風は微風後やや強く
昨日の雪調査は非常に限定的であるので、また最初からということで登高リスクの一番低い一ノ越ラインを目指した。すでにトレースはあった。登りながらいつも通りこまめにストックチェック、ハンドシェア、テストスロープジャンプテストなどを繰り返す。当然のことながら目視で周辺の自然や誘発雪崩跡の有無を調べる。テストした範囲では不安定性の兆候は無かった。途中で大規模なピットチェックを行う。2m掘り下げ30分かけて雪を詳しく調べた。昨日とほぼ同様の結果を得るが、上層はややレイヤー化が見られた。その後、やはり各種テストをしながら登り進め、浄土山東面カールへ。ここは一ノ越から尾根をゆくのがアンパイだが、今日の現在までの判断で沢ぞいを選択。最後はやや急な尾根状斜面を登り、浄土山頂へ。

jyoudo0.jpg
浄土山山頂


そこから登った脇の北東面小カールを2回すべる。よい雪だった。この結果でスラブ化がなければまあまあの安定度であるとの認識を得た。
jyoudo1.jpg
浄土山東面小カール

次に予定通り一ノ越から雄山へ。ここで西ルンゼにソフトスラブアバランチ跡、サイズ0.5程度を発見する。注意深く観察するとスノーボーダーの誘発と推測できた。大した雪崩ではなくスラフ処理の技術で対処可能と思えたが、これで西ルンゼは見送った。この観察により日当たりのよい西、南面は同様なことが予想されるとの認識を得た。

山頂から浄土山北東面とほぼ同じ方位面をもつ山崎カール(北面)をアイゼンピッケルで少し下降し偵察した。最上部はシュカブラで堅い雪もあった。左手斜面はまだ日が当っていない状況だった。ローソク岩周辺からはフラットな感じに見えた。念をいれてロープを使用してさらに下方をチェックしようかとも考えたが、いままでの経験も加味し、そこまではやらなかった。最上部シュカブラを50mくらい滑ると徐々に雪質はよくなり、快適なパウダー滑降になった。

yamazaki2.jpg
山崎カール上部1


yamazaki3.jpg
山崎カール上部2


yamazaki4.jpg
山崎カール中間部

3Pで下部まで滑降した。山崎カール内での不安定性は滑降および観察した範囲では確認できなかった。この直後旋回するヘリを発見。最初はTV用の撮影と思った。雷鳥沢方向にわずかにデブリが少し見え、事故があったらしいことが予想された。パートナーがスマートフォンで真砂岳雪崩発生一報を得る。このときはサイズや埋まった人がいるかは不明で、雪崩規模は雄山西面程度の規模(1程度)と想像した。

12時過ぎ。まだ時間があるので再度一ノ越に登る。途中で雄山西面ルンゼの一番手前のライン付近を滑走していたスノーボーダーが中間部で小さな雪崩を誘発したのをみる。(流されてはいない)これを見てやはり雄山西面は本日はダメだと再認識した。

暫く進むと今度は滑降を予定していた浄土山北東面(我々が最初に滑った面とは別のやや急な面)の沢状地形で3人Pの2番目が表層ソフトアバランチを誘発し、流されるのを目撃する。サイズ1程度。誘発したスキーヤーは50mほど流され、すぐに起き上がったが板が無くなった模様であった。その数分後、ふと後ろの雄山西面のもう1本のルンゼをみると、破断面上に一人のスノーボーダーが現れ、まずいなと思っていたらやはり誘発し、流される。サイズ0.5程度だが下に岩があったのでかなり危なかった。その後そのスノーボーダーは怪我もないようで滑り去った。この3つとも表層の10~20cmくらいのソフトスラブアバランチのようであった。

この表層雪崩を警戒し、一ノ越しから尾根を登って富山大P手前から比較的傾斜の緩い竜王東面を滑べる。やや雪は堅くなっていた。ここでの不安定度の観測無し。

ryuo1.jpg
龍王東面カール

御山谷から一越しへ登り返すときに右手の雄山南面にやはり表層の誘発雪崩跡(サイズ1以下)があった。その後、一ノ越から室堂山荘へ下山する。先ほどの板を探していたPは既にいなかった。宿泊のみくり温泉小屋で大雪崩と7人死亡を聞いた。

こちらの行動は以上です。http://shophoto.exblog.jp/に我々のみた雪崩があります。

ご参考までに。
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  1. 2013/11/29(金) 11:48:55|
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